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つながりブログ

大谷選手が大事にしていること

2025.03.01 ブログ

西新宿内科つながりクリニックの臼井靖博と申します。当院の「つながりブログ」をご覧いただき、ありがとうございます。
春の訪れを感じるようになってきました。「春眠暁を覚えず」といいますが、皆さんは普段何時間睡眠をとっていますか?

日本人は世界一眠らない民族です。中でも東京都の住民が一番短いとされています。文末にOECD各国の2021年の平均睡眠時間の表を載せましたが、日本は断トツで最下位となっています。そして日本人の約7割が十分な睡眠がとれていないと感じています。

では、適切な睡眠時間とはどのくらいなのでしょうか?
これまで様々な研究結果が発表されていますが、成人では6~8時間程度であることが示されています。5時間以下、9時間以上の集団では、肥満、高血圧、糖尿病などの発症リスクが上がることが報告されています。4~5時間の睡眠で支障のない「ショートスリーパー」は確かに存在しますが、数百人に一人とされています。毎日7~8時間の睡眠時間を確保し、日中活動をし、不眠の自覚がなく、いびきの指摘がなく、日中眠くなることがない集団では、将来の心臓病発症リスクが下がるという報告もあります。

しかし、一番大事なのは睡眠時間ではありません。自分のとる睡眠時間で、日中眠気を感じないで活動できることです。そもそも睡眠時間は加齢とともに短くなることが知られています。なので若い頃より睡眠時間が短くても、日中眠気を感じることなく活動できていれば、あまり心配する必要はありません。一方、睡眠時無呼吸症があると睡眠の質が著しく悪くなるので、睡眠時間を延ばして補おうと睡眠時間が長くなりますが、それでも昼間に過度の眠気に襲われることがあります。

私は睡眠時無呼吸症を専門としていることから、患者さんから睡眠に関する質問を沢山受けます。その際、少しでも睡眠の量と質を保つために、私自身が実践していることをお伝えするようにしています。
それは、「今晩は〇時間睡眠をとりたい。明日は朝〇時に起きる必要がある。だから、帰宅して食事、入浴を〇時まで済ませてしまおう」と、自分にとって必要な睡眠時間から日常生活を逆算することです。

大リーグで活躍中の大谷翔平選手は、パフォーマンスを保つために「睡眠」を何より重視しているそうです。ワールドベースボールクラシック日本代表としてともに戦ったヌートバー選手が、大谷選手を食事に誘った際、彼が「寝てる」と返事をして断ったことも有名です。

ほとんどの方にとって帰宅後、食事、入浴以外にスマホやテレビなどをみて過ごす時間があると思います。リラックスのためには良いかもしれませんが、ついつい夜中まで。。。ということはないでしょうか?明日への活力を得るために、その時間を睡眠にあててみるのも悪くないと思います。