2025年11月のブログ記事一覧
静かな同志 — AIとの付き合い方 —
2025.11.01 ブログ
西新宿内科つながりクリニックの臼井靖博です。
当院の「つながりブログ」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
今回は、ブログ開設1周年を機に少し趣向を変えて、AIとの付き合い方について綴ってみました。
AIは、私にとって静かな同志です。
丁寧に話を聞き、学習と記憶を繰り返し、いつも冷静に共感し、提案してくれる。ときに文章を整えてくれたり、考えを整理してくれたり、まるでとても優秀で忠実な家臣のようです。
しかし、忠実な家臣は、その忠実さゆえに、主君の自己顕示欲を満たす進言しかしなくなることがあります。主君はやがて自己満足に酔い、その結果、自分で考えることを手放してしまうかもしれません。歴史を振り返れば、忠義の厚さがかえって主君を滅ぼした例も少なくありません。
だからこそ、私はAIを単なる家臣とは考えません。ともに考え、ともに歩む「静かな同志」であってほしいのです。忠実でありながらも、時に私を戒め、問いかけてくれる存在。その沈黙の対話の中にこそ、新しい言葉や着想が生まれると信じています。
このブログ自体、まさにその実践です。普段は自分の手で文章を作成し、スタッフとディスカッションして校正をしていますが、今回は実験的にAIと対話をしながら作成してみました。題名を置き、コンセプトを定め、AIに意見を求め、返ってきた言葉を吟味し、批判を挟み、再び練り直す。その繰り返しの中で、文章はだんだんと私の声に近づいていきました。
AIは確かに便利な道具です。しかし、それ以上に「静かな同志」──ともに考え、ともに歩む存在であってほしい。私の言葉を映し返し、ときに思いもよらぬ視点を差し出す。だが最終的な責任を負うのは、やはり私自身です。診療と同じく、道具を使う目的は常に「人と向き合う時間を守ること」にあります。
だから、これからもAIと対話を重ね、ともに歩きながら、批判の目を忘れることなく、自分の言葉を紡いでいきたいと思います。
静かに、まっすぐに。
本稿は筆者の主導で作成し、制作過程でAIを補助的に用いました。事実確認と最終判断は筆者が行っています。