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つながりブログ

「長引く咳」とは

2025.08.01 ブログ

西新宿内科つながりクリニックの臼井靖博と申します。
「つながりブログ」をご覧いただき、ありがとうございます。

前回は咳の種類(コンコン咳とゲホゲホ咳)についてお話ししましたが、今回は咳が続く期間についてのお話です。みなさんは「長引く咳」と聞くと、どのくらいの日数を思い浮かべますか。1週間? 10日? それとも1か月以上でしょうか。

咳は、持続期間によって3つに分類され、3週間以内を「急性咳嗽(がいそう)」、3~8週間を「遷延性(せんえんせい)咳嗽」、8週間以上を「慢性咳嗽」と定義しています。このうち遷延性咳嗽と慢性咳嗽が「長引く咳」と呼ばれています。つまり「長引く咳」とは3週間以上続く咳のことを指しています。

ではなぜ3週間を超すと「長引く咳」と呼ばれるのでしょうか。それは、3週間をめどに咳の原因が変化してくるからなのです。

3週間以内の「急性咳嗽」は、ウイルスなどの感染症が主な原因であり、2週間程度で軽快することが多いとされています。一方、3週間以上続く「長引く咳」は、喘息や胃食道逆流症など、感染症以外が原因となっていることが多いのです。

しかし、咳の原因が3週間経つとコロッと変わるわけではありません。長引く咳も最初はすべて「急性咳嗽」であり、複数の原因が絡んでいるケースも少なくありません。急性咳嗽で受診した患者さんの約40%が、喘息や胃食道逆流症などによる「長引く咳」であったという報告もあります。

咳はとても辛いものです。ほとんどの患者さんが、急性咳嗽の段階で「咳が続いている」と来院されます。当院では、急性咳嗽であっても「長引く咳」の問診をしていただくことがあります。これは急性咳嗽の中に潜む「長引く咳の芽」を見つけ出すためですので、ご協力をお願いします。問診結果を踏まえて検査・診断し、適切な治療を行うことで「長引く咳にさせない」よう努めております。

咳でお困りの患者さんのご来院をお待ちしております。