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つながりブログ

眠りの種類と役割

2025.04.01 ブログ

西新宿内科つながりクリニックの臼井靖博と申します。当院の「つながりブログ」をご覧いただき、ありがとうございます。
先月に引き続き、今月も睡眠の話です。先月は睡眠時間の話でしたが、今月は睡眠の種類についてお話しします。

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠という二つの種類があります。
レムとは「Rapid Eye Movement:急速眼球運動」の頭文字(REM)をとったものです。睡眠中に眼球が左右に素早く動いている睡眠段階をレム睡眠、それ以外をノンレム睡眠と呼んでいます。

それぞれの睡眠には意味があります。

ノンレム睡眠では、ヒトは体と脳の休息をとっているとされています。自律神経のうち、体をリラックスさせる役割を持つ副交感神経の働きが高まり、体を休ませるため、血圧や脈拍、呼吸数が下がります。また、腸からの栄養吸収が促され、細菌やウイルスといった外敵から身を守るため気管支粘液の分泌も盛んになります。「寝る子は育つ」の通り、成長ホルモンの分泌も増加します。
ノンレム睡眠は、眠りの深さによって3段階に分けられ、最も眠りが深いステージ3を深い睡眠(深睡眠)と呼んでいます。深睡眠は睡眠前半に多く、朝に近づくにつれ眠りが浅くなり、目が覚めます。深睡眠の時間、割合は加齢とともに減っていきます。

一方、レム睡眠では脳の活動が活発になり、その日の記憶の整理をしています。体の方は脳とは対照的で、全身の筋肉が弛緩します。このため、よく夢をみたり、いわゆる金縛りにあったような感覚を抱いたりすることがあります。レム睡眠中は、血圧や脈拍、呼吸数が不安定になりがちで、「自律神経の嵐」と呼ばれることもあります。レム睡眠は1回10~20分程度持続し、一晩に3~6回前後出現します。

ノンレム睡眠もレム睡眠も、ヒトの生命維持に欠かすことのできない睡眠です。極端な睡眠不足や不規則な睡眠は、脳の疲労を回復することができず、日中の眠気や集中力の低下だけではなく、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常、心臓病、認知症などの体の不調や、うつ、不安障害など心の不調の原因になることが知られています。

現代人は、本来休息すべき夜間に活動時間が延びてしまい、睡眠をおろそかにしていることがとても多くなっています。ぜひ一度、ご自身の睡眠について振り返ってみてはいかがでしょうか。