喘息との長い付き合い
西新宿内科つながりクリニックの臼井靖博と申します。
当院の「つながりブログ」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
今月は、私の自己紹介をすこしさせてください。
私は小さいころからアレルギーが強く、物心がついたころから、毎晩のように喘息の発作に悩まされていました。横になって眠ることができないので、布団を抱えて丸まって眠るか、母親におぶさって眠る毎日を過ごしていました。母親には本当に苦労をかけたと思っています。
始終止まらない咳と痰、ぜーぜーして思うように息を吐くことができず、しまいには息を吸うことも難しくなり、「このまま息が出来なくなるのかな」という恐怖にさらされたことを、今でも鮮明に記憶しています。喘息には、日中は症状が軽くなり夜間に悪くなる、「日内変動」という性質があるため、「朝になれば楽になるはず」と願いながら息苦しさと戦っていました。
夜が明けて朝になり少し楽になったところで、近所のかかりつけの先生に診てもらうのですが、毎日のように受診するので、「また来たのか!」となぜか怒られる始末。ありえない味がする粉末薬やガスのタイプの発作止め吸入薬を処方されていました。
当時の喘息に対する考え方は「発作的に気管支が収縮する病気」。現在のような「気道の慢性炎症に基づく波のような病気」という考えはなかったため、発作の時だけ和らげる薬を使えばよいという治療が主流でした。現在、診察室で処方している吸入ステロイドなどの治療薬が、もし当時あったなら、どれだけ楽だったろうとしみじみ思います。
地元の中学、高校を卒業するころには喘息症状も落ち着きました。ところが、40歳を超えるあたりから再び喘息症状が出現するようになり、現在も吸入ステロイドのお世話になっています。小児喘息は、症状がぶり返す「再燃」という現象が高い確率で起こることが知られています。
幼い頃から喘息と付き合ってきたからこそ、喘息患者さんの咳の辛さや息苦しさ、どのようなときに悪くなるのか、吸入を続けることの悩みなど、実体験を踏まえて理解し寄り添えると思っています。
長引く咳、息切れなどでお悩みの方、是非ご相談ください。一緒に、咳や息苦しさで悩まされない生活を取り戻しましょう!