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心不全

心不全とは

心不全は、様々な原因から、心臓の機能が悪くなり、息切れやむくみが起こり、それらがだんだん悪くなって、生命を縮める病気です。

【画像】胸が痛い高齢者女性

心不全の原因

高血圧や糖尿病、脂質異常症、動脈硬化症などは、心臓病の大きな危険因子であり、心筋梗塞や狭心症、心房細動、心筋症や心臓弁膜症など様々な心臓病を引き起こして心不全を発症します。 また、心不全患者さんには高率に睡眠時無呼吸症が合併し、心不全の予後を悪化させることがわかっています。心不全は、一度発症すると、症状の悪化と回復を繰り返しながら、徐々に身体機能が低下する慢性的な病気です。そのため、心不全の発症を予防し、進行をいかに抑えるかが大切なポイントです。

心不全の診断と検査

心不全の診断には、詳細な問診や診察のほか、心電図、胸部レントゲン、心エコー検査、心不全のマーカーであるNTproBNPなどの血液検査などが用いられます。また、心不全の原因を調べるために、ホルター心電図検査や冠動脈CT、MRI検査なども行われます。また、いびき、無呼吸の指摘のある心不全患者さんには、積極的に睡眠時無呼吸症の検査を行います。

心不全の治療とフォローアップ

心不全の治療は、患者さん一人一人の状態に合わせた多方面からの介入が重要です。狭心症や心臓弁膜症、心房細動など心臓の病気が原因の場合、それぞれの病気に合わせた治療を行います。心不全に対しては、従来、利尿剤や強心薬が使用されていましたが、近年の臨床試験で、SGLT-2阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)/アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、アンギオテンシンネプリライシン阻害薬(ARNI)、ベータ遮断薬などを心不全の状態により組み合わせて使用し、体液量の調節や、交感神経活性の抑制を行うことで、心不全の予後を改善することが示されています。また、睡眠時無呼吸症を合併した場合、毎晩十分な時間CPAP治療を行うことで、心不全の予後を改善することが期待できます。 

当院は「心不全を発症しない、させない」ため、つながりの医療で、生活習慣病や睡眠時無呼吸症の管理、治療を積極的に行い、心不全の早期診断に努めます。そして「心不全を悪化させない」ため、患者さんやご家族はもちろん、地域の訪問看護師や介護士、ケアマネジャーなど多職種と連携して、心不全の悪化を防ぎ、予後改善の取り組みも行ってまいります。

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